17型 RIGHT  7石

姿勢差はかなり大きいが稼働中

精工舎の懐中時計にはSEIKOSHA RIGHTと単なるRIGHTと2種類あり、こちらは古い方の単なるRIGHTである。1917年(大正6年)というから既に105年前の時計。設計も古く、旧EMPIREとほぼ同じの古い設計である。本個体は7石の分であるが、テンプ上下の石が鋼製に変更されており(いつの時代かに割れて真鍮製に交換したのか?)合計5石の時計である。コハゼが前期式なのでおそらく大正時代の個体であろう。完全ジャンクで購入しましたが分解掃除してオシドリを加工し何とか動くようになりましたが、完全な状態ではありません。特に縦位置で進んだり遅れたりするのでテンプの建付けが悪いのだと思います。テンプも15石は巻き上げヒゲに対してこの7石は平ヒゲです。考えてみれば大正年間での15石は精工舎にすればかなりの高級品であったと思うのです。この後、EMPIREも新EMPIREとなり15石が誕生します。旧EMPIREは15石なし、パブリックにはGREAT EMPIREに16石が存在します。

RIGHTの完全稼働品を見つけたら購入するのも悪くないです。かなりレアな精工舎の懐中時計ですので。2022.02.12


17型 RIGHT 15石

姿勢差はやや大きいが稼働中

このRIGHTは別になるSEIKOSHA RIGHTとは全く別の時計になります。こちらのRIGHTの方は大正の時計であり、EMPIREや

PUBLICと同年代の形式であります。ムーブメントはモバードを模写してこの時計は最上位の15石であります。バラしてみても

文字盤側は裏押さえのバーがないタイプの古いものです。新EMPIRE はオシドリの切り替え用の裏押さえバーがあります。

やはり旧EMPIREやPUBLICと同じ設計に近いと思います。私の個体はテンプの天輪が悪いのか、アンクルなのか振りの軸が

やや傾いているように思えます。ゼンマイのパワーが最後まで上手に伝わらずに12時間で止まります。止まった時には

まだゼンマイに巻き残りがあるので、今後はその辺を治したいと思います。RIGHTは先に15石が手に入ったのでこれで終わりにしたいと思います。

2020.07.09

その後、問題を探るべくもう一度ばらしてみると文字盤下の傘車が香箱に干渉していてゼンマイ力が弱くなると時計が止まる

事を発見し、針座をとって少し緩めに文字盤を取り付けると問題なく稼働中 2020.07.14