19型SEIKOSHA 中三針

姿勢差もなく正確に稼働中

今までなかなか高くて手が出せないこの懐中時計の中三針モデル。元々は3枚目の写真であるように軍事用の時計でした。

旧式はスモセコで視認性が悪かったためにセンターセコンドのモデルが必要になり作りました。スモセコとの大きな違いは

出車と呼ばれる歯車が3番車の上についていてそこから2番芯をくりぬいたカナ部分を回転させると言う古典的な方法で

あります。この時計全くのジャンクでしたが、奇跡的に部品には大きな欠陥はありませんでした。唯一文字盤のエトが折れており

古い接着剤で止めてあったことが大きな欠陥でした。このエトはすぐに折れるのでこのような時計は何回も見ていますから

驚きはしません。両面テープで止めてやりました!!あとは、きれいに掃除して組み立てればしっかりと動きました。

ちなみに竜頭セットは四つバネです。

 

元々は軍事時計という事で竜頭は6時の下のところにありましたが、戦争が終わりケースに入れて竜頭を付けたようです。

「時」と書いた軍事中三針は昭和15年からで、最初の頃は15石もあったそうですが、戦争中に枯渇したために7石に

なったのはカラフと同じ運命であったようです。この時計は戦後昭和20年以降に「時」時計の残りを転換させたもので

それでも、結構な人気のある時計となっています。 順調に稼働している良い時計です 2021.02.05