⑤９年式EMPIRE

順調に稼働中

ついに探していた昭和９年式のEMPIREのしかも１５石です。私が探しているとこのHPでお願いしていたら、問い合わせがあり

昭和９年式の１５石を持っているのでお譲りしたいとの事でした。それにしてもこの昭和９年式のEMPIREはそれまでのEMPIREではなくMINISTERのムーブメントそのまま受けだけを変えているもので、厚みも全く違う別物懐中時計なのです。

どちらかと言えば、MINISTERと言った方がしっくりくるのです。裏蓋には2019年にOHしたことが記されていて、タイムグラファー

で計測してもそこそこの数値が出るので、このまま自分で分解掃除せずに保存しようと思います。オークションでもメルカリでも

全く見たことがないこの１５石は、当時ほとんど売れなかったとの事で、今後ますます貴重になってくると思われます。

2023/12/18

分解掃除の上、順調に稼働中

ついに２つ目の９年式EMPIREを見つけてしまい６８００円もしましたが購入しました。全く動かない不動品ジャンクとしてはかなり高くて直しても元も取れないと思いましたが健全な９年式EMPIREが一つ欲しかったので購入しました。しかし文字盤はＺＥＬＭＡに交換されています。私の持っているもう一つの9年式EMPIREも文字盤がZELMAになっておりこれには理由があると察しました。

そして購入へ踏み切ったもう１つの理由は黒文字盤で金の針が欲しかったのです。

さて、最初のチェックで明るい兆しが。まずテンプ外しても天真が折れてないのでゼンマイ巻き切って止まっている状況としては一番健全です。当然ゼンマイは切れていませんので（巻き切って止まっているので）後は長年の汚れがたまって止まっているだけで洗浄すれば簡単に直ることがほとんどだと経験上しっているからです。案の定止まっていた原因はガンギ車のホゾの固着でした。

油を十分に着けて慎重に外して、すべて分解し各穴をきれいに掃除し点検し、組みなおしてザラ回しをした時点できれいに回り、

ほぼ生き返ることが分かりました。さて、当社私は、この9年式EMPIREは元の姿に戻してやろうと思っておりました。写真の通り、ムーブメントは紛れもなく９年式EMPIREなのですが、文字盤が８０年もの間に割れるか欠損してZELMAに交換されたのだと思います。それには理由があります。おそらくですが９年式EMPIREのムーブメントはほとんど売れなかったのではと思っております。

それが証拠にヤフオクでもほとんど見かけません。１０石、１５石もあるそうですが７石しか見たことがないのです。しかも他の文献や時計関係のＷＥＢでもあるように実は９年式もムーブメントはMINISTERと全く同じで受けだけが違うというのです。

MINISTERのムーブメントはそれまでのEMPIREやZELMAと比べて厚くてそのために香箱や歯車も全部全く違うものとなっているのです。そうするとケース自体がそれぞれ違うものとなります。写真の１１枚目を見るとそれまでのEMPIREのケースにこの９年式を入れるとはみ出します。この頃はホーローの文字盤から金属製の文字盤に移行しておりホーロー文字盤はケースの大きさによって作られているので９年式に合わすにはMINISTERのケースを使うほかなかったのです。それまでの金属製のEMPIRE文字盤だとサイズが合わずにつけれません。なので後発のZELMAの文字盤を9年式EMPIREにつけてMINISTERのケースに閉じ込めたというのが真相だと思います。2020.11.19